手でとる
1本1本確認しながら
1つ1つ手でとっていきます。
象牙は人の歯と同じような素材のため、非常に硬いのが特徴です。
そのため流通する象牙印材のほとんどは、電動ノコギリなどの機械で加工しています。
そんな中、日本でただ一人、手作業で加工する職人さんがいます。
手作業だからこそ分かる品質、手作業だからこそできる一切の無駄を出さない加工。
人の手は全てを理解し、最適解でとりだします。
象牙印材の製造工程
象牙の切断
まず最初に象牙を中心付近で切断します。
象牙は長く弧を描いているので、端を万力に挟むと、片方が天井に向かい作業がしにくいのです。
つまりその後の作業を行う際の、ハンドリングを良くするための最初の工程です。
ここでも手で触れながら無駄のないギリギリを感じ取ります。
玉切(たまぎれ)
次に必要な印材の長さに応じて切断します。
一般的な60ミリの場合は62ミリほどにして、その後彫刻師が面丁などの印面を平らにする工程を行っても、60ミリを下回らないように少しだけ残します。
彫刻師の作業を意識し、彫りやすいよう調整していきます。
印をつけてとりだす
墨掛(すみかけ)
輪切りにした象牙ごとに、目的の大きさや形をとるために、レイアウトを決めていきます。
これこそ手作業の醍醐味で、高品質で綺麗かつ、少しも無駄なく印材がとれるよう最適なレイアウトを設計します。
印材切断
墨掛で作ったしるしに合わせて、ノコギリで切断していきます。
寸分の狂いも許されない、正確な作業です。
1本1本丁寧に慎重に形作っていきます
木端切り(こばきり)
印材の外側に残る余分な個所をノコギリで落としていきます。
皮切(かわきり)
さらに形を整えるため、ヤスリで削り落としていきます。
丹精を込めて、印材として完成させる最後の工程です。
旋盤加工
印材を旋盤という機械にはさんで、棒状の印材の形に仕上げた後、頭、印面を形付けます。
バフ掛け
最後にバフ掛けをして丁寧に磨き上げ、完成です。