象牙事業者のみなさん、更新期限が迫っています。今すぐ1分で確認できます
象牙を取り扱う事業者は、法律によって「特別国際種事業者」として国に登録することが義務づけられています。
印章業者をはじめ、象牙製品を販売・加工・買い取りする事業者が対象です。
この登録には有効期限があり、継続して取り扱いを行うには、5年ごとに更新手続きが必要になります。
その更新期限が、今月末(2026年5月31日)に迫っています。
2021年の制度移行時に登録を済ませた多くの事業者にとって、最初の大きな節目です。
私自身、手続きそのものは早々に済ませていました。
ただ、「本当に受理されているか?」と改めて確認しようとすると、書類やメールの山から証拠を掘り出すのは意外と骨が折れます。
同じように、「ちゃんと通ってるよな?」と一瞬不安になった方も、少なくないんじゃないかと思います。
記憶を信じるより、名簿を開く。それが一番早い
自分の記憶や手元の書類より、もっと確実で速い方法があります。
登録事務を担う一般財団法人 自然環境研究センター(JWRC)が公開している「特別国際種事業者登録簿」を、直接見ることです。
この名簿は定期的に更新されており、公的に認められた最新の状況が反映されています。
■ 特別国際種事業者登録簿(PDF形式)
https://www.jwrc.or.jp/service/jigyousha/files/tourokubo.pdf
やることは簡単です。
上のPDFを開いて、自社名を検索「(Windows:Ctrl+F)(Mac:Command+F)」する。
そして「有効期間の満了の日」の項目を確認する。
ここが「2031年」になっていれば、次の5年間の更新は無事に完了しています。
この一行を見るだけで、全部わかります。
「たぶん大丈夫」という記憶より、この一次情報に当たることが、実務での一番の安心です。
万が一、手続きが漏れていたら
もし名簿に自社名がない、あるいは有効期限が更新されていない場合は、できるだけ早く以下の窓口に確認してください。
- 窓口:一般財団法人 自然環境研究センター(JWRC)
- 手続き案内:特別国際種事業者の登録・更新手続きについて
5年に一度の更新は、期限を過ぎると「新規登録」扱いになる可能性があります。
その場合の新規登録には、登録免許税90,000円と登録手数料33,500円の費用が発生してしまいます。
手続きの手間が増えるだけでなく、余計は費用もかかります。
象牙という素材と正面から向き合い、法に則って誠実に商いを続けることは、私たちプロとしての基本の姿勢だと思っています。
その土台となるのが、こういう事務的なハードルをきちんとクリアしておくこと。
地味だけれど、大切なことです。
まずPDFを開いて、自社の名前を探してみてください。
1分あれば確認できます。
象牙を買えるのは、登録店だけ
少し話が広がりますが、一般の消費者の方にも知っておいていただきたいことがあります。
現在、象牙製品の取引を業として行うには、この特別国際種事業者への登録が必須です。
つまり、このライセンスを持った店舗でのみ、象牙製品を購入することができるということです。
登録制度は、象牙の不正流通を防ぎ、文化と産業を守るための仕組みです。
私たちがこの登録を維持し続けることは、お客様に安心して象牙製品を手にしていただくための、最低限の責任でもあると思っています。
最後に:象牙をめぐる国際的な動きと、今後について
さて、象牙をめぐる国際的な議論についても、最近の動きをお伝えしておきたいと思います。
2025年末にウズベキスタンで開催されたワシントン条約(CITES)の第20回締約国会議(COP20)では、西アフリカ諸国から「日本を含む国内象牙市場の閉鎖」を求める決定案が提出されました。
しかし、日本・EU・米国・アジア諸国・南部アフリカ各国が「科学的・客観的な根拠に乏しく、CITESの権限を超える」として反対。
最終的に、この決定案は採択されませんでした。
一方で、前回のCOP19(2022年)以降、象牙の国内取引に関する報告義務は継続して求められており、国際的な注目が続いていることも事実です。
こうした状況の中で、私たち象牙を扱う事業者がすべきことはシンプルだと思っています。
法をきちんと守り、登録を維持し、誠実に商いを続けること。
それが、象牙という文化と素材を未来へつないでいく、一番の力になると信じています。
引き続き、正しい情報をお届けしてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。

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